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第43回日本アカデミー賞は最優秀作品賞など主要3部門を制した映画「新聞記者」のネタバレや感想、あらすじやキャスト・結末やラストシーンなど、まとめて紹介していきたいと思います。
2019年に公開された映画「新聞記者」の主演はシム・ウンギョンと松坂桃李のダブル主演でございます。
こちらの原作は小説で、望月衣塑子さんの同名作品になります。
上映館数なども少なく、テレビCMなどの宣伝もまったくされてこなかったこの映画「新聞記者」とはどんな映画なのでしょうか。
紹介していきたいと思います!
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映画「新聞記者」の概要
韓国映画界の至宝シム・ウンギョン×昨年度映画賞に輝く松坂桃李!
権力とメディアの“たった今”を描く、前代未聞のサスペンス・エンタテイメント!
一人の新聞記者の姿を通して報道メディアは権力にどう対峙するのかを問いかける衝撃作。
東京新聞記者・望月衣塑子のベストセラー『新聞記者』を“原案”に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いたオリジナルストーリー。
主演は韓国映画界の至宝 シム・ウンギョンと、人気実力ともNo.1俳優 松坂桃李!
映画「新聞記者」のキャスト
㊗️‼️ #新聞記者 が第43回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞、最優秀主演男優賞、そして最優秀作品賞をトリプル受賞🎉🎉🎉 の快挙を成し遂げました‼️#シムウンギョン さん、#松坂桃李 さん、本当におめでとうございます🎊#日本アカデミー賞43 pic.twitter.com/QQUL35xEAQ
— 映画「新聞記者」 (@shimbunkisha) March 6, 2020
シム・ウンギョン 役:吉岡エリカ
ジャーナリストの父親が誤報のために自殺した東都新聞社会部の若手女性記者。
松坂桃李 役:杉原拓海
内閣情報調査室の若手エリート官僚。
他の出演者
本田翼 役:杉原奈津美
岡山天音 役:倉持大輔
郭智博 役:関戸保
長田成哉 役:河合真人
宮野陽名 役:神崎千佳
高橋努 役:都築亮一
西田尚美 役:神崎伸子
高橋和也 役:神崎俊尚
北村有起哉 役:陣野和正
田中哲司 役:多田智也
映画「新聞記者」のあらすじ
あなたは、この映画を、信じられるか・・・?
東都新聞記者・吉岡(シム・ウンギョン)のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。
日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。
一方、内閣情報調査室官僚・杉原(松坂桃李)は葛藤していた。
「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。
愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。
真実に迫ろうともがく若き新聞記者。
「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。
二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる!
現在進行形のさまざまな問題をダイレクトに射抜く、これまでの日本映画にない新たな社会派エンタテインメント!
あなたは、この映画を、信じられるか・・・?
映画「新聞記者」のネタバレ・感想
ラスト、エンドロールを目にしながらどんよりとした不安感が襲ってきた。
こんなに不気味な幕切れを映画館で感じるのはいつ以来の事だろう。
強大で強力な組織を前にして個の存在は何と小さなものなのか。
国家の安定と存続の前には、良心とか正義感とか尊厳とか、人間として大切にしなければいけないもの、いや、忘れてはいけないものを守り抜く事がどれほど過酷なものになるのか、それを貫き通す事によって失うものもまた大きく、自分にとってかけがえのない者たちを泣かせる事にもなる、その覚悟があるのか、そんな気持ちに晒された。
ご存知の通り、今作品には原作として東京新聞の著名記者である望月衣塑子氏による同名新書がある。
彼女自身が権力の横暴に抗い徹底して現政権に批判的であり、ジャーナリストとしての本分を追い続ける記者であるゆえ、主人公は彼女をモデルにしているように思えるが、これは飽くまでフィクション。
殆どの国民が明らかにおかしい、裏があるに違いないと感じている森加計問題や政権の基盤を揺るがす内部告発者を陥れる情報操作、そして政治的な疑獄事件には必ず付き物の鍵を握る関係者の自殺など現実に起こっている事件や政治的な謀略をタイムリーに盛り込みながら虚々実々にスリリングに続く展開は、日本での本格的な社会派ポリティカル・サスペンスの誕生を予感させる。
主人公は日本と韓国の両親を持つ帰国子女で日本の新聞社に赴任して数年の女性ジャーナリストとキャリアで政府機関に出向中の官僚。
若いふたりはそれぞれに痛みと悩みを抱えながら仕事に追われているが、それぞれの信念の下で次第に引き寄せられていく。
終盤、設定がよりフィクショナルに大きく転換するのも物語がうねりを上げて加速するには一理ありと思わせるし、この種の映画が数多く作られた70年代のアメリカ映画を強く意識させる。
ただ、それらのアメリカ映画の多くよりも衝撃的だったのがラストでした。
ここには勧善懲悪なカタルシスも、自己犠牲に立つヒロイックさも、そして巨悪は生き続けるといった様なアンハッピーな敗北感すらない。
松坂桃李が呟く最後の台詞。
何を呟いたのかは口の動きを見るしか分からないし、捉え方によっては真逆な解釈ができる3文字だったが、その先にあるものは果たして覚悟か諦感か。
私にはそこにはもう後戻りが出来ない彼の思いが窺えた。
でも、それはエンタメ的と呼ぶにはまるで違うか弱い悲壮感と恐怖、孤独感に帯びた表情から発せられたものだったと感じたのは私だけだろうか。
内閣調査室を描いた映画と言えば、山本薩夫の「皇帝のいない8月」が思い浮かぶ。
あの映画で高橋悦史演じる内閣調査室長は全編アポロ帽にジーパンポロシャツのカジュアルな服装で自衛隊のクーデターを操っていた影の黒幕である大物政治家を謀殺させるまるでCIA顔負けの非合法な手段を駆使する曲者だったが、今作品での田中哲司は飽くまで冷徹な官僚。
結局、今作品には政治家はひとりも登場しないが、果たして誰がどう指図をしているのか、正にブラックボックス。
仮に内調内部の独断で事を進めていたのなら、これもまた官僚の底知れぬ闇を感じさせる。
松坂桃李は本当に良い役者になってきた。
シム・ウンギョンはよく頑張っていたが、やはり、ここは日本の女優に演じさせたかったな。
恐らく政治的な色が付くのと現政権に批判的な映画ゆえにプロダクションから敬遠されたのだろうが、これまた奇しくも芸能界の現政権への忖度を如実に感じさせるファクターでした。
その目指すところは国民を政府の管理下に置く独裁国家であり、ジョージ・オーウェルの「1984年」の世界である。
個人の自由と人権は剥奪され、国民は国家という名の倉庫に繋がれたロボットとなる。
ありえない話ではない。
その危機的状況に女性「新聞記者」・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は警告する。
…「私たち、このままでいいんですか?」
日本映画界とすべての観客に強烈な一撃を喰らわせる傑作サスペンス。
ついに日本でもポリティカル・スリラーのジャンルに「大統領の陰謀」「スポットライト」に近づく骨太の作品が登場した、という感がある。
原作は東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラー。
フィクションとはいえ、森友・加計問題を髣髴とさせる事件、政権による情報操作、担当官僚の自殺…、すべて私たちがリアルタイムで体験してきた現実だけにストーリーの生々しさが半端ではない。
このような作品の製作・公開に踏み切った藤井道人監督、名演技を披露する松坂桃李、日本の女優に代わって慣れない役柄を必死に演じたシム・ウンギョンほか、全スタッフの勇気と努力に拍手を送りたい。
ある日突然、吉岡記者に送られてきた匿名の極秘情報。それは医療系大学新設計画に関するものだった。
誰が何の目的で送ってきたのか…。
吉岡は真相を突きとめるべく調査に乗り出す。
一方、現政権に不都合なニュースをコントロールする内調に勤務する官僚・杉原拓海(松坂桃李)は自身の仕事に疑念を抱き始めていた。
その矢先、かつての上司・神崎(高橋和也)が自殺。
何故? 疑惑の核心に近付けば近付くほど、政権の暗部が浮かび上がってくる。
自身の仕事、人間としての生き方、そして家族の将来…、杉原の苦悩と葛藤は日増しに募る。
そんなある日、杉原と取材にやってきた吉岡が出会う。2人の人生が交わり、恐るべき事実が…。
練り上げられた構成とスリリングな展開で息もつかせない138分。
プロットに飛躍はあるものの、近年稀に見る極上のエンターテインメント作品といっていいだろう。
同時にこれは重厚なヒューマンドラマでもある。
「日本列島」「海と毒薬」「松川事件」などかつての社会派サスペンスの傑作と比肩し得る重い内容だが、私たちの現在と未来を支配しかねない近未来的な怖ろしさ、という点でこれを上回るものはない。
それはラストシーンによく表れている。
杉原と吉岡が交差点で向かい合う。
沈痛な表情で何か言いたげな杉原…。
彼はいったい何が言いたかったのか…。真実を知ることは怖い。それを語ることはさらに怖い。
交差点で向かい合う2人はその恐怖を体験しつつある。
吉岡エリカも杉原拓海もあなた方自身なのです。この映画はそう言っているように見える。
ラストの松坂さん演じる杉原の表情、つぶやきは観る人に解釈を… というスタンスも良い。
困惑、絶望、政治の暗闇のなかにいる顔。
すぐにエンドロールに切り替わり 最初の部分、完全に音声を無くす演出で 観客を余韻に浸らせてくれた。
主人公の官僚 杉原を繊細に丁寧に演じていた松坂桃李さんは 時代劇、ラブストーリー、そして今作と幅広い役で着実に力を付け これからも楽しみな役者と感じた。
シム・ウンギョンさんは事前に見学した新聞社で記者が皆 猫背でデスクに向かってる姿が印象に残ったと言っていたが見事に体現していた。=猫背!
才能溢れる良い女優さんです。
映画タイトルは「官僚」の方があってるように思う。
新聞記者がどのようにして巨悪を追い詰めるのかを期待して観ると、情報のほとんどが内閣関係者からのリークで肩透かしを食らう。
クライマックスの陰謀に至っては、実際にそんな噂があったにしても、リアリティレベルが飛躍し過ぎで、自分はついていけなかった。
日本政府が何の目的でそれを行うのか、納得のいく説明が欲しかった。
うまく作れば、邦画版「キッスで殺せ」になったかもしれないのにもったいない。
そうはいっても、この息苦しい時代に現政権をターゲットにこんな骨太サスペンスを作った気概は素晴らしいと思うし、シム・ウンギョン、松坂桃李ら主演陣の熱演も良かった。
あと田中哲司の怪演はこの映画の大きな見どころ。
藤井道人監督、「デイアンドナイト」といい、本作といい、一本筋の通った映画を作る俊英として、これからも応援したいと思います。両方Blu-ray買うからね。
東京新聞記者望月衣塑子の映画と同じタイトルの「新聞記者」が原作。真実に基づいたフィクション。
権力を持ったものが日本を私物化している現状がよく分かります。
官僚もそれに加担。政府に脅され真実を伝えられないメディア。
『与党ネットサポーター』なんて言葉が出てきますが、ネトウヨバイトがいい例でしょう。
国民はいかに情報に惑わされずに、真実を見なければ権力を持ったものに支配されてしまう。
『今だけ金だけ自分(自分の友達)だけ』
こんな今の日本を変えなければなりませんね。
国民の立場に立ち、国民に寄り添える政治家を国民が育て、大きくさせなければ今の状況は変わらない。
本作品が凄い・貴重だと思う所は、
(1) 権力とメディアコントロールという、現在進行形の問題に正面から切り込んでいる。
他のレビュアーも書いていますが、現在進行形の政治・社会問題をタイムリーに描くのはとても珍しいと思います。
特に過去数年、マスメディアへの圧力&メディア側の政権批判自粛モードが強まっている中で、映画というメディアで正面から切り込んだ、企画・制作者の勇気はリスペクトに値すると思います。
本作品は、ドキュメンタリーとフィクションの中間、「半フィクション」だと思います。
(2) 純粋にドラマとしての完成度が高い。
「半フィクション」である一方、ドラマ・物語としての完成度が高く、もし完全なフィクションであっても十分楽しめると思います。
本作品は権力とメディアという政治・社会問題がテーマであると同時に、「組織の中で個人はどう生きるか」という「個」の物語でもあります。
これが、ドキュメンタリーではない「半フィクション」としての本作品の魅力だと思います。
また、テーマが時事ネタなので、週刊誌的な扇動・アジテーションをイメージしがちですが、全体として非常に静かな、抑えた演出です。
それによって物語に引き込まれ、考えながら観る余裕を与えてくれます。
各役者の演技力も素晴らしいと思いました。
タイムリーな獣医学部創設にまつわる疑獄事件をテーマに、記者サイドの視点から描かれており、とある新聞記者が社会的圧力に負けることなく、、、、という、一種の英雄譚の体裁をとった映画のようでした。
社会派の作品に類するのだとは思いますが、権力による言論封殺の実態とマスメディアの対応や影響について深くえぐって見せるような描写が弱く、ありがちな英雄譚になってしまっているので、ちょっと拍子抜けした感じは否めません。
主人公の描写でも、内部告発した副主人公に対し精神的なフォローがあまりにも不十分に描かれており、あまり感情移入できませんでした。
ですので、主人公の心象のみならず、もう少し周囲の人々の感情の描写や言論封殺の実態について丁寧に描かれていたらと思います。
父親が自殺していたという設定もちょっと安直に感じました。
以上のことから、タイムリーさを出すためとはいえ、もうすこしシナリオの作成に時間をかけられたらもっと良い作品に仕上がっていたと思います。
映画「新聞記者」の原作者:望月衣塑子とは
東京都生まれ。
父親は記者、母親は演劇関係者の家庭に生まれる。
東京学芸大学附属大泉小学校、中学校、東京学芸大学附属高等学校を経て、慶應義塾大学法学部卒業。
大学卒業後、中日新聞社に入社。東京本社へ配属。
千葉支局、横浜支局を経て社会部で東京地方検察庁特別捜査部を担当。
その後東京地方裁判所、東京高等裁判所を担当。
経済部などを経て、2017年10月現在社会部遊軍。
2人目の育児休業後の2014年4月から武器輸出や軍学共同の取材を開始。このテーマで講演活動も続けている。
2017年3月から森友学園、加計学園の取材チームに参加し、前川喜平文部科学省前事務次官へのインタビュー記事などを手がけたことや、元TBS記者からの準強姦の被害を訴えた女性ジャーナリスト伊藤詩織へのインタビュー、取材をしたことで、
「告発している2人の勇気を見ているだけでいいのか」
と思い立ち、2017年6月6日以降、菅義偉内閣官房長官の記者会見に出席して質問を行うようになった。
内閣官房長官の記者会見を選んだ理由について本人は、
「森友学園、加計学園などの問題を取材する中で政権の中枢に問題意識を持ち、国民の疑問や怒りを自分で直接ぶつけてみようと思った」
「私にできることは、政府のスポークスマンである官房長官に質問することだった」
などと語っている。
2017年12月、日本における武器輸出の拡大や軍事研究費の増加について報じた「武器輸出及び大学における軍事研究に関する一連の報道」が「第23回平和・協同ジャーナリスト基金賞」の奨励賞に選ばれた。
2018年、菅との会見での質問をまとめた動画と単著が「マスコミの最近のありように一石を投じるすもの」として、2017メディアアンビシャス賞の特別賞に選ばれた。
2019年11月15日、望月の活動を追ったドキュメンタリー映画『i-新聞記者ドキュメント-』(監督:森達也)が公開された。
映画「新聞記者」の動画配信は?
映画「新聞記者」の動画配信はU-NEXTでされます。
U-NEXTも良いのですが、登録すれば全てが見放題というわけではなく、ポイント制で、特定のポイントがないと観れない作品もあるとか、面倒くさい事があるんですよね・・・。
また、Amazonでもレンタルで視聴可能ですので、Amazonで観るのも良いかもしれません!
という事で、第43回日本アカデミー賞は最優秀作品賞など主要3部門を制した映画「新聞記者」を楽しみにしましょう!!
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