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漫画「女王の花」のネタバレ・感想や登場人物を15巻の最終回、最終話・結末まで紹介していきたいと思います。
この漫画は和泉かねよしさんが描く物語で『ベツコミ』(小学館)2007年11月号に掲載された読み切りが好評だったため、その続編が2008年7月号に掲載されました。
2009年7月号に3話目が掲載され、同誌で連載されていた『メンズ校』の終了に伴い、2010年6月号から2017年1月号まで隔月で定期連載されました。
なお、「女王の花」は和泉かねよしさんの漫画「二の姫の物語」の約100年後の物語となっています。
それでは、既に完結している漫画ですが、「女王の花」について紹介していきたいと思います。
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漫画「女王の花」のネタバレ
ここから、記事を全て読んでいただくのも嬉しい限りですが、記事が何分長いので、気になるところにジャンプ出来るように、それぞれのネタバレを項目ごとに用意しました!
気になる箇所へ飛んでみてくださいませ!
漫画「女王の花」のあらすじ
古代の国・亜の女王は、女王の花と呼ばれる伝説の花を自分の墓に供えてほしいと願っていたという。
その花は1000年に1度だけ咲き、どんな望みも叶える力があるという。
時は紀元前戦乱の世。
悠久の大地を群雄割拠していた国々があった。
互いに勢力を争う、亜国・土国・黄国・曾国。その中で亜国の姫として生まれた亜姫(あき)だったが、実家が小国のため母とともに冷遇されて育った。
ある日亜姫は金髪碧眼のために差別を受け奴隷とされていた薄星(はくせい)という少年に出会う。
奴隷の身を亜姫に救われ、心からの忠誠を誓う薄星。
二人は立場上、武も才も学ぶ事が出来ない。
そこで青徹という商人と出会い、内密に技芸、武芸を叩き込まれる。
そんな折、妾の土妃の戦略により、亜姫の母(亜国の正妃・黄妃)は毒殺され、亜姫は黄国に人質として送られる事に。
そこで、力をつけ必ず亜国に戻ることを誓う亜姫だった。
漫画「女王の花」の登場人物・ネタバレ
亜姫(あき)
亜の国の姫。
黄国の姫を母に持つ、聡明だが不器用な娘。
薄星との合言葉のようなものである「千年の花」を窮地に立たされる度に発している。
正妃である母が重い病を得てしまったために充分な後ろ盾を得られず、第二夫人の土妃及びその取り巻きに蔑ろにされ続け、不遇な幼年期を送った。
8歳の時に青徹と出会い、礼学射御書数の六芸を教わる。
やがてその利発さは亜国王子をも超えたが、思慮に欠けた振る舞いを咎められ、黄国へ人質として送られた。
不本意な形で母の故郷に囲われた亜姫は、土妃へ復讐を誓って己を奮い立たせる。
その一方で、恩師である青徹を破天荒な技で助け出そうとしたりする奇想天外な姫であり、黄国内では「キテレツ姫」との評判が高い(しかし、それも徐々に返上しつつある)。
父王から玉璽を半分託されたり人質として送られた真意を知り、父王に対しての憎悪は薄くなっている。
薄星を当初は大切な幼なじみだと考えていたが、蛇波流の襲撃の際に毒入りの刃を受けた薄星と共に死ぬ覚悟でその刃で自らの左手を斬ったことにより、任務を遂行できないと焦った蛇波流によって無事に毒は抜かれ、左腕にはその傷跡のみが残っている。
その後、薄星を男として見るようになり、相思相愛の仲となる。
黄国において、豪雨に伴う災害の混乱を鎮めるため祖父である黄王より御史大夫(副宰相)に任じられ、見事その混乱を収めることに成功。
しかし、曾国第一王子により曾王の妃となるべく誘拐される。
だが第一王子の反乱により新たな曾王の後ろ盾を得、亜国の土妃と戦いを挑むこととなった。
曾、黄国の協力の元、優勢に戦を動かすが、薄星と共に軍からはぐれてしまう。
その後、薄星は亜姫を追ってきた刺客と交戦し生死不明に(亜姫は一部始終を目撃)。
明朝に軍と落ち合い、亜・土国連合軍を撃破し無事、亜国女王に即位する。
薄星の帰りを待ち続けながら賢王として何十年も国政を仕切り続け、当初は反発もあったものの持ち前の努力と思考力によって良く国を治めるようになる。
だが、疲労によって倒れることが多くなった。
数年後に「女王として死にたくない」という望みを叶えるために「千年の花を探し出せ」という令を下し、蛇波流との符牒(暗号)疎通を図る。
その後、蛇波流の息子と宮女、春琴によって「千年の花」と呼ばれる眠草を飲まされ、忽然と姿を消した。
薄星(はくせい)
胡人(こじん、異民族の総称)。
西域の人とされる。第二王妃土妃のもとへ土王子6歳の祝いに土国より贈られた奴隷の少年。
青い目と金色の髪を持つ。
その姿を人々より気味悪がられていたが、瞳の色を「蒼天の蒼」髪の色を「稲穂の金」「天の色」と賞賛してくれた亜姫に絶対的な忠誠と淡い恋心を抱いている。
青徹に「守るべき主(亜姫)」を決めていることを見込まれ、武芸を仕込まれる。
亜姫が黄国に人質として向かう際に同行するも、黄国の者からも気味悪がられるが、現在ではかなり和んだ模様。
3巻では亜姫を襲い、青徹にお灸を据えられ距離を置く場面が見られた。
青徹の最後の伝言を亜姫に伝える役目を果たしており、その時に自分は青徹に到底及ばないことを悟る。
机の前にじっとしておくことが出来ず、文字が読めず、また書けない(最終巻では、布に亜姫に対しての手紙を残している)。
曾国第一王子による細作、蛇波流との戦いで毒入りの刃を受けてしまい、いまだに毒が抜けておらず右手に力が入らない描写が見られる。
かなりの戦闘力の持ち主であり、体格も優れている。
翠蝉の曾王子・光への想いを人一倍同感しており、同志として分かり合う場面も見られた。
土妃との戦いで薄星を失うことを恐れた亜姫に捨てられ、それを知った青逸の計らいによりその配下となり従軍する。
黄妃(こうひ)
亜国の本来の正妃。
亜姫の母。黄の国出身。幼い頃より佳人(美人)と名高かった。
13歳で青蓋と出会い、15歳で亜国に嫁ぐ。
亜国に嫁ぐ前、青蓋と共に駆け落ちをする計画を立てるが、結局待ち合わせの場所には行かずそれを拒否した。
その後亜国正妃となった自分に従属してきた青蓋に自分のせいで噂を立つのを恐れ、黄国に帰す(亜姫によると、この行為は青徹に対する「愛してる」の言葉であった)。
後、わずかな期待を持って布に書いた模様(待ち合わせの場所に暇つぶしで青蓋が描いたもの)に青蓋が気づき、再会を果たす。
そのまま青蓋と亜宮からの脱出を図るが、青逸により阻止、傷だらけの青蓋を見て、自分が妃として役目を果たすことを引き替えに青蓋の不問を命じた。
その後青蓋と会うことなく、亜姫の聡明さを危険因子とみた土妃の毒入りスープを自ら飲み死去。
青徹(せいてつ)
傲岸不遜な性格の隻眼の青年商人。
亜姫と薄星の厳師として長年に渡り鍛え、二人を導いてきた。
その正体は黄国の名門・青家の次男青蓋(せいがい)。
10歳で黄姫(後の黄妃)のお付きとなる。
初めは王族を忌み嫌っていたが、黄姫に出会って考えを改め、黄姫に絶対的な忠誠を誓うようになる。
黄姫が亜国に嫁ぐ前夜、二人で駆け落ちしようとしたが黄姫は待ち合わせ場所に来ず、亜国正妃となった黄妃に従者として供する。
しかし、黄妃への忠誠が空回りしその愛人とうたわれ亜宮での扱いは冷たく、黄妃により黄国に帰される。
数年後、亜国から届いた布に、以前自分が待ち合わせ場所で描いた落書きが書かれていたのを見て、黄妃は待ち合わせ場所に来ていたことが判明。
亜国へと赴き、やつれた黄妃に再会する。
そのまま二度目の駆け落ちを図るが兄である青逸に左目を斬られ、阻止。
青家の「青蓋」は死んだことになり、青逸とは何の関わりもない亜国の商人となる。
その後亜国の自分の店で成長した亜姫と薄星に出会う。
薄星を幼い自分に見立て六道を、亜姫には王族に必要な教養を叩き込む。
亜姫が人質として黄国に向かった後、亜宮に忍ばせていた自分の手下が捕まったことで一旦黄国に招致された後、亜との戦いを避けるため黄国により亜国に送検。
そこで土妃によるクーデターが起こり巻き込まれてしまう。
亜姫の父は自分で、卑しい血が亜姫に流れているとでっちあげられるが、亜王共にそれを拒否した。
瀕死の中、土妃に一矢報いて左目を潰し、死去。
先祖に名宰相・青推がいる。
黄王(こうおう)
黄の国の王。亜姫の祖父。
病に倒れ死を待つばかりに老いたが、亜姫を黄国の御史大夫(副宰相)に抜擢する。
亜姫が土妃との戦いを控える最中に死去。
陳騰(ちんとう)
黄の国の宰相。
亜姫の事を快く思っておらず、非協力的な人物の筆頭。
格式に囚われ素直になれない性格だが、実務派の老臣。
だが、亜姫が飢饉による食料不足を解決したこともあり、亜姫を認めるようになっている。
青逸(せいいつ)
黄の国の大夫。青徹の兄。
亜姫の世話役を任せられて以来、心強い味方となる。
飄々とした性格の壮年だが、実は文武に秀でた切れ者。
恐妻家。亜姫に振り回されているが、心許されている唯一の人である。
亜姫が黄国に送られてから事ある事に亜姫を助けており、薄星の良き相談相手にもなる。
亜姫が女王として即位した後、黄国に戻り宰相となる。
桐(とう)
青逸の愛妻。
手ぬかり無く青家を切り盛りするやり手。
歯に衣着せぬ物言いで、亜姫や薄星を圧倒する。
青索
青逸と桐の息子。
亜姫即位後、黄国大使として亜国を訪れる。
見た目は青徹に瓜二つ。
現在は現黄王の子女である姫に仕えている。
亜王(あおう)
亜の国の王。亜姫の父。
家族に対する情よりも、国主としての自我が勝る深謀寡黙な巨星。
亜姫を次期亜王として見いだしていたが、同盟国、土から守るため、表面上、土の顔色をうかがったふりをし亜姫を黄国に送り出す。
亜王子に国主の才が無いと見るや、亜の国史に玉儞の半分を持たせ、亜姫に託す。
その後、亜王子の立場が危ないと踏んだ土妃にクーデターをおこされ死去。
もう片方の玉儞は青徹の手下に託した。
土妃(どひ)
亜の国の第二王妃。
土の国の王の妹。自身の権力を確固たるものにするべく、黄妃を暗殺した。
ついには亜王を弑逆して、我が子の即位を企む。
権勢欲が強いだけの毒婦であったが、施政者としての格に目覚めつつあった。
瀕死の青徹によって左目を潰されている。
最初優勢に戦を進めるが、亜王子が死去したことにより、味方の裏切りを受け敗北。
殺されるために亜姫に罵詈雑言を浴びせるが、牢に入れられる。
その後の亜女王の相談相手となり、関係性は向上したと思われる。
亜王子(あおうじ)
亜の国の王子。土妃の息子。
亜姫にとっては腹違いの弟。でっぷりとした体格で、武芸よりも詩作に興味をもつ凡庸な王子。
王になりなければ異母姉が王になればいいと思っており、そうすれば元の優しい母が帰ってくると信じていた。
病をこじらせ激痩せし、母の温もりを感じることなく死去する。
これによって土妃軍は大義を無くし、戦に敗北するきっかけとなる。
高諷(こうふう)
亜の国の宰相。土妃に協力して謀反に加担した役人。
醜悪な容貌の内側に強い信念を秘めた中年男。
謀反により優秀な人材を失ってしまったため、仕事に追われていた。
土妃からは「ブサイク」と呼ばれ、彼自身も土妃を「毒婦」と罵りあっている。
亜王子の死去により亜姫側に寝返るも、戦が全て終わった後に土妃に殉死(土妃はその後殺されなかった。高諷が土妃に好意があったかは不明)。
丁重に葬られる。
政(せい)
曾の国の王。旦と光の父。
亜姫を利用して亜国、黄国を手玉に取ろうと画策する。
多くの妃と王子に恵まれているが、家族に関心が無い。
旦の起こした謀反により殺害される。
以前、友と思っていた乳兄弟の陸否に裏切られており、その時の陸否の自分を舐めきった顔を見て為政者から独裁者へと変貌を遂げてしまった。
旦によると冷徹な王を演じることによって唯一無二の存在になろうとしたのでは、と思われている。
旦(たん)
曾の国の第一王子。
現在は曾王。前曾王の次男。
体格こそ小兵ながら武術に秀で、豪放磊落ながら策士という多面性を持つ。
己に利すると見れば亜姫の策に乗ることも、罠にかけることもする。
苛烈なまでの激情を身の内に隠し、覇道を突き進む野心家の青年。
亜姫を妃として迎えるため、大夫、隗旦と名乗り黄国に入る。
しかし亜姫に見破られ曾に帰国。
その後も何度も求婚するがことごとく断られている。
自身の野望とは別に実際に亜姫に惚れているが、亜姫自身は気づいておらず、自分自身もその気持ちを告げようとはしない(ただし、薄星や春琴には見破られている)。
亜国を牛耳ろうとした父の命で亜姫を誘拐。父の妃にしようとするがそれは策であり、謀反を起こし父を殺害した。
兄・光とは互いを競い合う友のようなものであったが、父の命令により泣く泣く光を殺害する(しかし、光自身は細作である翠蝉の働きで死んではいなかった)。
曾王に即位し、亜姫の後ろ盾となる。
女王即位後も度々求婚と支援を続け、亜姫の良き理解者となった。
段勤(だんきん)
若い頃は曾王に仕えていたが、現在は旦王子の後見人。
老齢だが矍鑠とした人物で、精力的に旦王子の覇道を補佐している。
王子の王に対するクーデターの際、亜姫を庇い傷を負う。
王に止めをさした王子を見事と表紙、王との殉死と名目して死去した。
光(こう)
曾の国の元第一王子。
死を装い曾国の山中に逃れ隠棲していた。
旦王子と酷似した容貌をしてはいるが、性情は正反対。
土の国の血を引いている。
翠蝉(すいせん)
光王子の護衛。
白髪に金眼という異形の娘。元は暗殺者。
陸丕(りくひ)
故人。かつて曾王の腹心として働いた股肱の臣。謀反を起こし誅殺された。
蛇波流(じゃはる)
浅黒い肌をした異国の青年商人。
あざとい商魂をむき出しにして、突如亜姫に接近してきた不審人物。
漫画「女王の花」の最終巻15巻ネタバレ
亜姫が目を覚ました時、薄星の姿は消えていた。
亜姫を置いて行ったということは、敵が近くにいるということ。
そして薄星の腕をもってしても守りきれないほどの数だと判断したからだと理解できた。
薄星のその判断は正しいとわかっているのに、亜姫の足は薄星のあとを追ってしまうのだった。
薄星は川で戦っていた。
大勢の敵に囲まれて、絶体絶命の状態・・・。
「やめて!!」
亜姫の心の声が聞こえたように、木の陰にいる亜姫を見つけた薄星は
「千年の花!!千年の花!!せんねんのはなっ!!」
そう叫びながら敵を倒していく。
「出てくんじゃねぇぞ!俺は必ず迎えに行くから。だからそこで待っていてくれ」
薄星の気持ちが痛いほどわかる亜姫は動くことができず、ただ
「逃げて!」
と祈るばかりでだった。
「あとすこしだ」
そう思った刹那、敵の槍は薄星の体を貫いていた。
「君は俺が守るよ」
「十年先でも百年先でも」
「魂魄だけになっても」
「君を守るだろう」
薄星は、絶望に震える亜姫に微笑みかけながら
「再見(じゃあね)」
そう言って川の流れに消えていった・・・。
薄星を失った大きな悲しみと絶望の中で
・・・“私”は死んだ・・・
そう感じる亜姫の頭の中では、戦を指揮するもう1人の亜姫が目覚めていた。
「そうか・・・私はとっくに化け物になっていたのか」
“女の子の亜姫”は薄星と一緒に行ってしまう。
ここにいるのは“指揮官・亜姫”なのだ。
亜姫たちを捜しに来た味方と合流した亜姫は、指揮官として、亜国の次期女王として冷静に戦を進めて行き、ついに土妃を最後の砦の越尾城まで追い詰めた。
かつては亜王の、ついで土妃の宰相であり、今は亜姫側に寝返った高諷から越尾城の図面や城内の備蓄などの情報を聞き出した。
城攻めを命じる亜姫に、高諷は
「恨まれますぞ」
と言うが、亜姫は逆に問いかけた。
「この世に恨まれない人殺しなどあるのか?」
激烈な戦いの末に陥落した城を見つめていた亜姫を、背後から刺し殺そうと襲いかかった少女がいた。
春琴というその娘は戦で亜姫の軍に父と兄を殺されたのだ。
その娘はまるで、母「黄妃」を殺された頃の亜姫のようだった。
亜姫は春琴を侍女として引き取ることにした。
自分が王として間違った行いをした時に打ち果たしてくれる者として・・・。
そんな亜姫に青逸は、薄星から預かっていたものを渡した。
それは字を書けない薄星が青逸から習い書いた拙い文字が並んだ手紙だった。
薄星からの愛に溢れた手紙には
「上を見上げて。この世は美しい」
これから女王として立つ亜姫への心からのエールが綴られている。
「再見・・・」
亜姫はそうつぶやくのだった。
捕らえられた土妃は、なぜか亜姫の知っている恐ろしい毒婦の土妃とは思えない下卑た女で、亜姫は目を疑った。
思わず「哀れな女・・・」と言った亜姫の言葉に激しく反応し、悪態をつき、暴れ、
「王妃の黄妃を殺したのはおまえだ!」
と狂ったような目をして言うのだった。
「どこまでも救われない女だ」
そう言う亜姫の傍らで、
「土妃様は死にたいのですよ」
そう言ったのは高諷。
亜国を守るためなら、たとえ逆臣と罵られても構わないという信念で、亜王、土妃と次々に主を替えていった変心激しい宰相だった。
亜姫が彼の罪を許し、立ち去ろうとしたとき突然襲いかかり、警護の者たちに成敗されてしまうのだが、最後に土妃に言った。
「あなたを想い殉死する臣下がいても、まあ・・悪くはないかと・・・では、お先にいきます。」
土妃と高諷は「不細工、毒婦」と毒づきながらも主従だった。
亜姫は土妃を殺さないことにした。
「おまえは牢につなぎ、生かしておく。死んでいった者たちを忘れることを許されない、灼熱の苦しみ悲しみの上に立って生きよ。それが罰だ」
その後、亜の女王となった亜姫は何年も何年も人々に尽くし、戦も飢饉もない平和で豊かな国を創っていった。
そして女王になって30年が過ぎたある日、不思議なおふれを出した。
「千年の花を探しなさい」
その半年後、女王暗殺事件は起きたのだった・・・。
漫画「女王の花」最終話ネタバレ
“千年の花”とは、千年に一度だけ咲き、どんな願いも叶えてくれるという幻の花。
女王はこの花にどんな願いをこめたのか・・・。
女王に毒を盛って殺そうとした犯人は春琴と胡人の商人・蛇波流の息子だった。
女王が出したおふれの《千年の花》を献上し、それを飲んだ女王は眠ったまま目を覚まさないのだった。
亜国宰相・高登の前に引きだされた二人は、なぜそのようなことをしたのか・・・と詰問された。
春琴は戦の後、女王に引き取られ侍女として仕えていたが、長い間、寝る間も惜しんで仕事をする亜姫の女王としての血のにじむような努力を見てきた。
曾国の王が何度訪ねて来て求婚しても、全くなびかず生涯独りを貫いた。
女王は調度品など何もない空っぽの部屋で、汚い布だけを大切に持って来ることのない人を待ち続けているの。
女王が何度か後継者を選ぼうとしましたが、それを重臣らは拒み、女王の在位を望み続けた。
やがて長年の激務で女王は身体を壊して倒れ込む日々が続き、もう長い命ではないと悟っていたようだった。
半年ほど前に黄国から来た国使団の中にいた清逸の息子の青策に、懐かしい師匠青徹の面影を見た女王は、それからすぐに“千年の花”のおふれを出したのだ。
春琴は自分の知っている限りの女王のことを話しながら、
「もう解放してやってください」
と懇願するのだった。
《千年の花》を持ってきた個人の商人(蛇波流の息子)は、あの花は毒花ではなく、薬草だと言った。
「苦痛を取り去り、夢幻の世界に誘う花」
彼は父親から
「いついかなる時でも、女王がそれを望んだらたとえ子の代になっていても届けよ」
そう言われていた。
それは女王の願いが「女王のまま死にたくない」ということだからだ。
それを知っていたから、“千年の花”という符号の下に彼女を夢の世界へと逃がしてやったのだと。
寝台で眠っている女王は花の香りに気がついた。
「もう目をあけることもできないけれど・・・」
そう思いながらも、窓から入ってくる風や光が気持ちがいいと感じていた。
そして誰かがやって来たのを知る。
「今日は晴れだ」
「来たよ。約束、忘れてないよね?」
それは忘れるはずもない愛しい薄星だった。
「行こう!」
ふたりは、ふたりが望んだ世界へと旅立って行った。
春琴と胡人の商人は、罪を許されて解放されたのだった。
それはどういうわけか、女王が煙のように消えてしまったから。
春琴は微笑みながら佇む女王を見たような気がして涙を流すのだった・・・。
漫画「女王の花」もう一つのエンディングネタバレ
この“もう一つのエンディング”は15巻のスペシャルファンブック付き限定版があって、それに掲載されています。
簡単にネタバレすると、土妃との戦のあと、しばらくは亜姫が国を治める。
しかし、その後は土妃に国を任せてしまう・・・。
土妃は息子がなくなってから欲が無くなっているのでおさめられると・・・。
自由になった亜姫は薄星を探して旅に出ます。
そして、亜姫が薄星を見つけるところで、物語は終わります。
この“もう一つのエンディング”の方が少女漫画としては王道の終わり方なんじゃないか・・・という意見も多いですね。
漫画「女王の花」の感想
約束の晴れた日に薄星が迎えに来てくれて良かったね。
ずっとあのこと一緒になれて良かったね。
それしか言えません。
涙無しでは読めませんでしたが、本当に出逢えて良かった作品です。
別エンディングも素敵でした。
でも私はこの壮大の物語の結末はこれで良かったと思ってます。
1巻からどれだけ泣いただろうってくらい泣きました。
悲しかったり、感動したり、嬉しかったり。
本当に色んな事を感じさせ、考えさせていただきました。
以下ネタばれです。
最終話は敢えて、亜姫の顔は描かれず、第三者の目から描かれてました。
賛否両論あるかもしれませんが、私はそれで良かったように思います。
私が今まで読んだ漫画の中ではこういった描かれ方は読んだ事がなかったので新鮮にうつりましたし、色々と想像を含ませる事ができました。
最後まで亜姫らしかったのも良かったです。
この作品に出会た事に感謝です。
王族として生まれた者、その下に生まれた者、立場の違いを乗り越えて、2人を結びつける者があったとしても、現世では報われることがないのが鉄則。
女王となった後の亜姫の顔を決して描くことなく物語は終わる。
読者の前に亜姫が顔を見せるのは、薄星と共に笑顔を見せることができた、1人の女性としての顔だけ。
幼い無邪気な頃の顔だけ。
幼なじみであり、友とも同志とも恋人とも言える存在を失い、師と仰ぐ人さえも通り越して生きた者にとって、宮殿は心の中と同じく、空に等しい、虚ろな世界の象徴だ。
王としての責務を全うするという殻にすぎない。
終わりは予想されたが、涙、涙にくれた。
ファンブックのもう一つの終わり方の方が、気が楽なくらい、哀しい2人の別れと再会。
自由になるということは、宮殿から出て行くということは、現身(うつしみ)ではあり得ない切なさ。
2人を取り巻く人々をカメオ出演させながら、物語は静かに終わる。
余韻を残して。
私達読者は、2人の若き日の姿を眩しく思いだす。
ただただ、哀しく懐かしく。
本当に良いマンガでした。
男性が読んでも楽しめると思います♪
毒が薄星の体を蝕んでるし、前巻で亜姫と結ばれたのでやはり…でしたが。
ただ薄星がこれまで「きみはおれが守るよ」と繰り返し言ってますが、今巻は一番胸に響きました。
女王になって年老いた亜姫の顔が描かれなかったのは少々残念な気がしました。
でも、ふたりが幸せになった未来は夢あるいは来世じゃないと実現しないので仕方ないのかもしれません。
曾王・旦の一途な想いも描かれています。
「……引き受けてやる」はグッときました♪
スペシャルファンブックは赤・青・緑に分かれた美麗イラスト集と名言集、そしてもう一つのエンディング。
4頁のエンディングなので大きく期待すると肩透かしをくらいます(笑)
この物語の結末には本当に作者さん、そして何より読者の想いが必要不可欠です。
だからこそ私は二人は幸せになったんだ、永遠に一緒に生きていくんだと信じます。
「想い」「信じる」を越えるものはない。
そのことがこころに伝わってきました。
和泉かねよし先生本当にありがとうございました。
「永遠の幸せという名の花」が咲いたこの物語に出逢えたこと、この物語と共にこれからの人生を歩めることは私の幸せです。
漫画「女王の花」を楽しもう!
漫画「女王の花」は単行本でも楽しめるし、電子書籍でも楽しめます。
“もう一つのエンディング”に関しては、単行本の限定版でないと掲載されていないのですが、今単行本15巻の限定版は2万円近い金額になっています。
これだけ高いと・・・さすがに厳しいですよね。
という事で、電子書籍で本編だけ楽しめれば良い・・・という場合は「まんが王国」がおすすめです。
まんが王国では、無料キャンペーンが実施されている時があり、無料で漫画を読む事も出来るので、うまく活用していきましょう。
それでは、漫画「女王の花」を楽しんでくださいね♪
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